〈ろうきん〉と他の金融機関との大きな違いの1つとして、「営利を目的としない」金融機関であるという点があげられます。この「非営利の金融機関」という特徴について、もう少し詳しくご案内させていただきます。
簡単に言えば、利益(営利)を目的としないということです。〈ろうきん〉は、労働金庫法(1953年制定)という法律に基づいて設立されていますが、その第5条第1項には、「金庫は、営利を目的としてその事業を行ってはならない」と明記されています。このことからも、「非営利」が〈ろうきん〉の重要な原則の1つであることがおわかりいただけると思います。
労働金庫法第1条に、事業の目的が「労働組合や労働者の団体等が行う福利共済活動のために金融の円滑化を図り、その健全な発達を促進するとともに、労働者の経済的地位の向上に資すること」であると明記されています。つまり、〈ろうきん〉の事業の目的は、金融を通じて「働くみなさまの暮らしのお役に立つこと」であり、利益(営利)の最大化を事業の目的としてはならないということです。
いいえ、「営利を目的としないこと」と「利益を出さないこと」は同じではありません。「ディスクロージャー誌」などをご覧いただいてもわかるとおり、〈ろうきん〉は、事業の結果として利益を生み出しています。ただし、一般の企業のように、この利益を最大限追求しようとして事業を行っているわけではありません。〈ろうきん〉の利益は、「安心いただける経営状態を維持するため」や「お客さまにお喜びいただける商品やサービスをご提供するため」など、お客さまの信頼やご期待にお応えするために必要な範囲で確保しているのです。